子どもの3大夏風邪

 

6月に入り、いよいよ夏目前ですね。
子どもにとって一番楽しい季節の到来ですが
冬に負けず劣らず、子どもが体調を崩してしまう時期でもあります。
子どもの3大夏風邪ってご存じでしょうか?
夏になると子どもを中心に流行する感染症なのですが
「手足口病」「ヘルパンギーナ」「プール熱」の3つを指します。
これらに共通して言えることは、原因はウィルスであり、現時点で特効薬はないという事。
発熱などに対してはアセトアミノフェン(カロナール、コカールなど)が使われることがあります。
基本的に子どもがかかる病気ですが、まれに大人が発症することもあります。

中でもヘルパンギーナと手足口病は同じ系統のウィルスが原因の為、
症状が似ているのも特徴です。
また、原因となるウィルスが何種類かあるので、何度も繰り返しかかることがあります。

それでは順番に、症状と代表的な対処法をご紹介します。

ヘルパンギーナ 潜伏期間:2~4日
1~4歳の幼児を中心に5月後半ごろから出始め、6~8月にピークを迎え、10月にはほとんど見られなくなります。
日本国内での流行は、例年西から東へと移行します。

高熱が数日続き、口やノドに小さな水疱がたくさんできて、その後潰れて潰瘍状になります。
ノドの痛みが強い為、飲食がしづらく脱水症状を起こす事もあります。
小児では、高熱によって「熱性けいれん」を起こす事もあるので注意が必要です。

手足口病 潜伏期間:3~5日
4歳くらいまでの幼児を中心に夏季に流行し、7月頃ピークを迎えます。

口からノドにかけてヘルパンギーナと同様の症状が出るのに加え、
手、足に水疱性の発疹が出来ますが、かさぶたにならずに治る場合が多く、
1週間程度でなくなります。
また、1〜2ヶ月後に手足の爪がはがれることがありますが、
大事には至らずにすぐに新しい爪が生えてきます。
頭痛や嘔吐、高熱が続く場合は脳炎、髄膜炎への注意が必要です。

ヘルパンギーナ、手足口病共に
くしゃみなどから感染する「飛沫感染」と、唾液や鼻水にさわった手を
口に持って行ってしまい感染する「接触感染」が主な感染経路です。
また、回復後も口から1〜2週間、便から2〜4週間にわたってウィルスが排出される為
おむつなどの交換後に汚染された手指を介して感染が広がることが多くあります。

プール熱(咽頭結膜熱) 潜伏期間:5~7日
原因となるアデノウィルスは季節に関係なく出現しますが、
プール熱自体は6月頃から徐々に増加しはじめ、7~8月にピークを迎えます。
5歳以下の小児が患者数の6割を占めます。

のどの痛み、目の充血、39℃前後の発熱が1週間前後続く症状から、
「咽頭結膜熱」と呼ばれています。 頭痛、食欲不振が3〜7日続くこがあります。
眼の症状としては、目の充血、涙が増える、まぶしがるなどがあります。

咽頭結膜熱(プール熱)は、咳やくしゃみなどの飛沫によって感染する「飛沫感染」と、
目やになどの付いたタオルの共用や手指を介した「接触感染」によって感染します。
また、塩素消毒が不十分なプールに入ることでも感染が起こります。

各疾患共に
のどに痛みが出るので、酸味のあるジュースや刺激のある飲み物は避け、のどごしの良い少し冷たい飲みもの、牛乳や麦茶などで水分を取ると良いでしょう。また、食事もプリンやゼリー、豆腐など刺激が少なく噛まずに飲み込める物ががオススメです。

日頃から石鹸を使った、しっかりとした手洗いを習慣づけることや、
流行期にはマスクを着用することが感染から身を守ります。
他人とのタオルの共有も避けた方が良いでしょう。
お子さんたちが楽しい夏を過ごせるようにしてあげたいですね。

 

名古屋南店 薬局長