なぜ葛根湯が効かないか

 

カゼに葛根湯といってよく宣伝されていますが、葛根湯を飲めばカゼが治ると勘違いしている人が大勢います。

葛根湯を飲めばカゼが治るのではありません。葛根湯は発汗療法のうちの一つで、うまく発汗させなければカゼは治らないのです。

葛根湯を飲んで夜勤や深夜勉強をしたら、熱ばかり上がって苦しいだけで少しも効かなかったという体験の人も多いと思います。葛根湯を飲んで、さらに発汗を促すために、たくさん着込んで、うどんのような温かいものを食べて、布団をかぶって寝かせるようにしてうまく発汗させなければなりません。カゼでもインフルエンザでも、最初は体を温めて発汗させておくと、ある程度病原微生物を殺せるから、後の治療が軽くすむのです。

現代の母親たちは子供が発熱すると異様なまでに恐ろしがって、すぐに氷枕で冷やしたり、解熱剤の坐薬を使ったりして無理やり熱を下げようとするが、これをやると予後が悪くなり、病をこじらせてしまうことが多い。発熱したら、最初は温かくして、むしろ熱を出して発汗を促すように、布団に寝かせて、湯たんぽを入れてやるなど工夫すると良い。そのほうが予後が良いのです。

 

平野店 H