漢方薬・生薬認定薬剤師研修の実習のため、静岡県立大学の薬草園に行きました。
今回は観察した植物について紹介します。


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和名:コダチチョウセンアサガオ(別名:ダツラ)
学名:Datura arborea Linn.
科名:ナス科
使用部位:葉、種子
用途:鎮痛、鎮痙、鎮咳、目薬
成分:ヒヨスチアミン、スコポラミン
 

 

 

漏斗状の花を上向きに咲かせるナス目ナス科ダツラ属の一年草です。花岡青洲が江戸時代後期に日本初の麻酔手術に成功した時に使用した麻酔薬の通仙散の成分です。この時は乳がんの摘出手術だったそうです。
 

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和名:ツルニチニチソウ
学名:Vinca major Linn.
科名:Apocynaceae (キョウチクトウ科)
使用部位:茎葉
用途:抗癌、腸出血、子宮出血などの止血
成分:ビンカミン、ビンブラスチン、ビンクリスチン

 

抗癌剤であるビンクリスチン、ビンブラスチンを含む植物です。小児腫瘍、白血病、悪性リンパ腫などに使用されますが、1人分の薬剤を抽出するためにはかな~り広大な面積のニチニチソウが必要だそうです。

今回は医薬品原料としての薬用植物を紹介しましたが、香辛料・ハーブとして使用されるローズマリーや健康食品として使用されるウコンなどの身近な植物も栽培されています。
 また、静岡県立大学は一般開放もしていて自由に植物を観察することができます。
キャンパスはとても綺麗で高台にあり、薬草園のある上のほうからは見晴らしの良い景色を望むことができました。
近くの大学・研究機関でも一般開放をしている薬草園もあるので、お散歩がてら行ってみてください。普段は見ることのできない植物もあり、職員の方に出会うと解説をしてくれることもあるのでおススメです♪♪

(M)