今年6月、中欧4ヵ国(チェコ、オーストリア、スロヴァキア、ハンガリー)を
フライトと宿だけ予約して、9日間(現地正味6日)旅して来ました。
どの街も、旧市街は中世の佇まいをそのまま残していました。
あまりに建物のコンディションが良過ぎて
遺跡マニアの私としては、諸行無常感に欠けるのが若干残念でしたが・・
(崩れかけの城壁や、捨て置かれた僧院なんかを見るとシビレます!)
・プラハ 塔からの街並み
・チェスキー・クルムロフ 城塔と街並み
・ウィーン ペスト記念柱前
・ブダペスト くさり橋
中でも、心に深く刻まれたのは
ウィーン郊外ヴァッハウ渓谷にある、メルク修道院の図書館です。
ここは11世紀に建立され、1770年マリー・アントワネットがルイ16世に嫁ぐ途中で宿泊
した修道院です。
朝一で訪れた事もあり、他に誰も見学者はいません。
絶景のテラスから続く大きな扉を押し開け
蝶番の音が、薄暗い図書館内に大きく響き渡った途端、
目に飛び込んで来るのは、四方の壁一面にぎっしりと並ぶ美しい書物の数々。
・・・・圧巻、そして厳か。
暫くの間、放心し立ち尽くしてしまいました。
さて、今回の旅には裏テーマがありました。
それは「各地の薬局の写真を撮る」こと。
・プラハの薬局
・ブラチスラヴァ(スロヴァキア)の薬局看板
・そしてウィーンの「Angel Apotheke(エンゼル薬局)」!!
(読み方としては「エンゲル薬局」に近い)
美しい天使像が描かれた外壁は20世紀初頭のものですが
創業自体は16世紀、ウィーン最古の薬局です(現在も営業中)。
上の画像にはある共通点があるのに気が付いたでしょうか?
そう、看板又は建築デザインに杯と蛇が使用されています。
この、杯に蛇が絡まったマークは「ヒュギエイアの杯」と呼ばれ、
欧州から中東にかけて広く薬局のシンボルとして使われています。
ヒュギエイア:薬湯の入った杯を捧げ持つ、健康・衛生を司るギリシア神話の女神
英語hygiene(清潔、衛生)の語源。
蛇:脱皮をする事から、古代より死と再生の象徴とされる。
良く似たマークに以下の2種があります。
「アスクレピウスの枝」:枝に1匹の蛇が絡まる、医療・医学のシンボル。
「ヘルメスの枝」:枝に2匹の蛇が絡まる商業のシンボル。枝に羽が付いている事が多い。
ルネサンス期、デザインの類似により「アスクレピウスの枝」と「ヘルメスの枝」が
混同して使用される様になり、現在では「ヘルメスの枝」を医療のシンボルとして採用し
ている国も少なくないとの事。
更に「ヘルメスの枝」や本来存在しない「杯に2匹の蛇」と言う意匠の薬局シンボルも存在
する様です。
色んなバリエーションの薬局シンボル追いかけて
次は、西ヨーロッパか中東か・・・
おまけ、ブダペスト市内の薬局ショーウィンドウ。
(Y)