間もなく世界初の作用機序を有する緑内障治療点眼薬が発売されます。一般名はリパスジル塩酸塩水和物、「グラナテック点眼液0.4%」という販売名が与えられました。
「緑内障患者様(GLAucoma)の房水動態を元の自然な状態(NAture)に近づける新しい技術(TEChnology)」より命名されたそうです。興和株式会社が開発しました。
緑内障は我が国における中途失明原因の第一位であり、高い眼圧を放置すると視野狭窄から失明に至る疾患です。緑内障のエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は「眼圧を下降すること」とされています。薬物治療、レーザー治療、手術治療の選択肢があり、症例や病期・病型に応じて適切な治療が選択されます。
薬物治療においては点眼薬がメインとなります。プロスタグランジン関連薬、β遮断薬、αβ遮断薬、α1遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、交感神経刺激薬、α2作動薬およびそれらの合剤などが治療に用いられます。単剤もしくは作用機序の異なる複数剤を併用して眼圧を目標値にコントロールします。
今回発売される「グラナテック点眼液0.4%」は「Rhoキナーゼ阻害作用により繊維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出を促進する」という新しい作用機序により眼圧を下降させます。
既存の点眼薬では眼圧のコントロールが不十分であった患者様にとって、新たな選択肢が加わったことは朗報であり、その有効性と安全性が十分に発揮されることを期待しています。
(K)