数年前から、夏になると夜お隣の外壁に、ヤモリがぺたっとはりついているのが、見られるようになりました。
それを見ると、「ああ、夏が来たんだなあ」と感じるとともに、いつも決まって、懐かしい思い出がよみがえってきます。
今から30年程前、初めての海外旅行でマレーシアに行った時のことでした。
夜、女子大の寮に泊めてもらうことになり、日本から一緒に来た女の子と、二段ベッドの上と下に寝ることになったのですが、そのベッド上の天井に、すごい数のヤモリがはりついていたのです!
私たち日本人は、「ヒエー」っという感じでしたが、現地の人は何とも思っていないようでした。
私たちは、どっちが上で寝るか、じゃんけんで決めることにしました。
もちろん、一発勝負です。
結果はというと・・・運悪く、私が負けてしまったのです。ショックでした。
「寝ている間に顔の上に落ちてきたらどうしよう。気持ち悪い」なんて考えていると、眠れないような気がしていましたが、さすがに、初めての海外で疲れていたのでしょう。
当時中学生だったのですが、顔に帽子をかぶって、これなら落ちてきても大丈夫かなあと思ったら、あっという間に眠りについてしまったのです。
朝目覚めて上を見ると、昨日の事がまるで夢だったかのように、天井は真っ白で、何もいませんでした。
明るくなると、どこかに行っちゃうんですね。
その後現地の人に、ヤモリのことをきいたら、ヤモリは小さな虫を食べてくれるから、家の中にはりついていても何とも思わない。むしろありがたい。というようなことを言っていたように思います。
ヤモリを漢字で書くと、守宮又は家守と書きますが、納得がいきますね。
ちなみに、英語では“ハウス・リザード”つまり、家のトカゲと書きます。
今年も、梅雨が明ける頃には、外壁にはりついてる姿が見られるでしょうか。
生き物好きな長男の影響で、あの重たそうなまぶたが何とも愛らしく、離れて見る分には可愛いと思えるようになりました。
(F)