季節性うつ病とは、その名のとおり季節に関わるうつ病で別名『季節性感情障害』とも言われています。英語で”Seasonal AffectiveDisorder”、頭文字をとってSADです。
SADは夏もしくは冬になるとうつ症状が出現するようです。『夏季うつ』や『冬季うつ』などと言われ、通常のうつとの違いは、季節限定でうつ状態になりそれ以外は元気なところが特徴です。
ですので、ある時期に受診し始めたかと思うと、いつの間にか治療卒業。
で、久しぶりに受診されたなと思いカルテを見ると、去年の同時期に受診していた記録が残っているというケースがたまに見られます。

『夏季うつ』と『冬季うつ』でも症状に違いがあります。
通常のうつ症状の他に、『夏季うつ』の場合は、食欲不振・体重減少・不眠といった症状。対して『冬季うつ』の場合は、過食や・過眠という症状。人間の生理的欲求や機能によるものと区別がつきにくいので、同時にうつ症状が出ているかどうかがSADの判断基準となります。

では、原因にはどんなものがあるのでしょうか?『冬季うつ』と『夏季うつ』では少し原因も異なります。

今回は『夏季うつ』の原因と対策について少々。
原因の1つに挙げられるのが、『熱さに対する過剰な反応』です。よく南国から来た人や、熱い国から来た人も、日本の都会の夏は辛いなどと良く聞きます。アスファルトで覆われた地面からの反射熱とエアコンの熱気など、夏の暑さをさらに加速させる要素が都会の街中にはあると思います。この自然じゃない熱さにやられて、生理的に夏場が嫌になる人が『夏季うつ』になってしまう場合があるようです。

そしてここからが重要。もうつが、クーラーの使い過ぎによるもの。
夏バテの原因とも言われるクーラーの使い過ぎですが、外と室内の温度差があまりにも激しすぎると自律神経の乱れへと繋がります。(自律神経は5℃以上の急激な温度変化に耐えられないといわれています。)

このように『夏季うつ』は温度が原因となる場合が多いと言えそうです。
手っ取り早い対策としては、過剰にクーラーを効かせすぎないことですね。(外気との温度差を作り過ぎない。)
まず、設定温度。人間の身体にとって害がない冷房温度、それは28度前後です。さらに寝る際、人間は体温が低下します。寝つきの頃は少し暑さを感じるくらいが良く、さらにオフタイマーも忘れずにセットしましょう。また、風を直接身体に当てるのは避けたほうがいいですね。

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