何週か前にTVで「尿酸値」のテーマを扱っている番組があり、尿酸値に関してもう一度考えてみようと思い立ちました。
特に患者様に対しどういうアプローチをしたら患者様が運動・食事療法を実施してくれるのだろう?薬をきちんと服用してくれるにはどうしたらよいだろう?
また思い立った理由として、私自身がメタボリックシンドロームの中で他の疾患の患者様に比べて、高尿酸血症の患者様の指導にもどかしさを感じていたからかもしれません。
薬剤師の皆様方は、「この程度のことは、すでに指導しているよ」と思われるかもしれませんが、生活習慣の見直しの中で、水分摂取、運動、ストレスに関して服薬指導に役立ちそうな記事を見つけました。
①尿酸排泄のため水分はたっぷり補給
夏の暑い日差しや激しい運動などで大量の汗をかくと、体内の水分量が減るため尿酸値が上がります。また、排泄される尿の量が減少するため、尿酸の排泄量も少なくなります。そのため、体内の尿酸値は一気に上がり、痛風の発作が起きやすい状態になります。
こうした状態を避けるためには、こまめに水分を補給することが大切です。 のどが渇いているときは、すでに体内の水分が少ない状態。のどが渇く前に、1日2リットル以上を目安に水分を摂るようにし ましょう。尿量が増えれば、尿路結石もできにくくなります。水分は、水かお茶で摂るのが一番です。市販の砂糖入りの清涼飲料水は糖分が多く含まれ、意外に 高エネルギー(カロリー)であるとともに、摂取量が多くなると痛風になりやすくなることもわかっていますので、摂り過ぎには注意しましょう。
②肥満解消のために運動を
食生活の改善とともに適度な運動を取り入れて、肥満を解消するようにしましょう。エネルギーを消費して肥満が解消すると、尿酸値が正常範囲まで戻るというデータもあります。運動は、有酸素運動を取り入れ、日頃の生活の中で手軽にできる方法を選びましょう。目的地の一駅手前で降りて歩く、できるだけ階段を使うなど、身近なところで実践できることを取り入れるのが長続きのコツです。
③激しい運動は逆効果
普段あまり体を動かさない人が急に運動を始めたり、激しい運動を毎日行ったりすると、尿酸値が高くなってしまう場合があります。これは、運動によるエネルギー消費によって「ATP」という物質を分解して尿酸を作ってしまうためで、過激な運動が高尿酸血症の人にとって逆効果になってしまう典型的な例です。運動は、ウォーキングやサイクリングなど、自分のペースに合った軽めの有酸素運動を継続的に行うことが最適です。 また、運動によって汗をかくことも、尿酸値を上げる原因になります。運動の後には水分補給を忘れずに行いましょう。
④ストレスと尿酸値の関係
ストレスがかかると尿酸値は上がり、痛風発作も起こりやすくなります。ストレスが尿酸値を上げる詳しい仕組みはわかっていませんが、ストレスを受けたときに分泌される「アドレナリン」というストレスホルモンが関係していると考えられています。アドレナリンには血管を収縮させる働きがあります。腎臓の血管が収縮することで血液の量が減り、その結果、尿の量が減るため、尿酸の排泄量が少なくなり、尿酸値を上げるのではないかといわれています。
⑤ストレス発散は、「のんびり、ゆったり」と
ス トレスがたまると、お酒を飲む、美味しいものを食べる、スポーツで思いっ切り汗を流す、という方法でストレスを解消する人は少なくありません。しかし、飲 み過ぎや食べ過ぎ、過剰な運動も、また、尿酸値を上げる原因になりかねません。尿酸値が高い人には、仕事を精力的にこなす人が多いといわれています。スト レス解消も仕事のうちと考えて、できるだけゆっくりできる時間を作りましょう。散歩や軽い運動、睡眠、趣味を楽しむなど、自分に合ったリラックスできるストレス解消法をみつけましょう。
あとは皆様方のアドリブで患者様に、「じゃ、きちんと薬飲むか!」「ちょっと運動してみよか!」と思わせるようにご指導いただけるといいと思います。
患者様の指導に使っていただける部分が少しばかりはあったのではないでしょうか?
(O)