先日、会社のフィジカルアセスメント研修に参加しました。
東邦薬品の方に講師をお願いし、四日市港ポートビルで研修を行いました。薬剤師20人ほどが参加し、バイタルサインの基礎やフィジコを用いての聴診などを行いました。
今回のエンゼル日誌は、自分が実際体験し感じたことを伝えたいと思います。
フィジカルアセスメントとは「フィジカル(physical=肉体)+アセスメント(assessment=情報収集と判断)」という意味で、直接体に触れることによって患者の症状を把握することをいいます。
この講習を受けるまでは、薬剤師が聴診器を持つことへの抵抗がすごくありました。薬剤師は薬の専門家として、もっと勉強することがあるのではないかと…。
ただこの考えは、勉強不足による思い違いと気が付くことができました。フィジカルアセスメントは、聴診が一番ではないことや必須の行為ではないということ。問診→視診→触診→打診→聴診と薬剤師にも今できることを行い、更に勉強と経験を積みステップアップしていけばよいのです。
視診は、体型や顔色・表情・口唇色、ばち指・浮腫、呼吸の状態や振戦・歩行異常などの行動、身なりなども判断になります。
触診は、触れさせてもらうことにすごく抵抗がありますが、まず握手から始めると良いと教わりました。皮膚の渇き具合・ぬくもりの加減・握力・動き・血行など、毎回行うことで違いが分かり、症状の変化を感じることができます。在宅などで訪問する場合、毎回握手から始めさせてくださいとお願いするのは、患者さんにとっても抵抗がないだろうと思いました。更に脈拍測定・呼吸測定、血圧測定と進むことができそうです。
脱水を判断するのに手の甲を軽くつまみ、つまんだ皮膚のもどりをみるツルゴール反応と呼ばれる確認方法があります。医師の往診に同行した時に、行っているのを何回か見ました。問診とここまでの行為で、ある程度は医師に患者の状況を伝えることができると感じました。
さて、ここからはいよいよ聴診器です。まず、聴診器の使い方から説明を受け、何も知らなかったのだと実感しました。聴診器のイヤーピースは、真っ直ぐではなく、少し斜めにして使用します。慣れないうちはイヤーピースの向きを逆にはめてしまう事があります。実際、研修中も前後逆にはめて注意されている人もいました。正常な呼吸音と異常な呼吸音・正常な心音と異常な心音を、フィジコを使用し聞かせてもらいました。実際の現場で、聴診器を使用するのは大変な努力と、患者さんへの信頼が必要になると思います。その経験と信頼を得て、薬剤師が認知されていけば、リフィル処方箋へと道が開かれるのでしょうか・・・。
講習を終えて、参加者に頂いた聴診器を持って帰ると、妻に「薬剤師に聴診器なんて必要ないでしょ、捨ててきたらよかったのに…」と言われてしまいました。
まだまだ薬剤師に聴診器が似合う時代は来ていないようです。
(N)