最近禁煙治療の為、薬局に来局される患者さんが多くいらっしゃいます。
そんな患者さんが禁煙をしようと考えられたきっかけは、タバコ代が高い、健康が気になる、孫が出来た等、本当に様々ですが、禁煙により得られるメリットは非常に大きいと思います。

例えば禁煙の効果ですが、米国肺協会などの禁煙支援活動で示されている禁煙の効果は、早いものでは最終喫煙の20分後から手足の皮膚温が上昇し改善するという事が認められています。2日目くらいからは味覚や嗅覚が回復を始めると言われています。患者さんによりますが、禁煙を初めて2~4週間ぶりにお話を伺うと食事がおいしくなったと言われる方がいらっしゃいますので、実際に味覚の変化を実感できる方もいるのだと思います。また1年で皮膚のしわや乾燥の状態、歯肉の状態が回復すると言われます。
逆に考えれば、一見関係が無いように見える皮膚にもタバコは悪い影響を与えているのです。女性だと気になる美容上の問題として皮膚の弾力低下、しわの増加、頭髪の変化、歯の着色や声の変化等、悪い影響を与えます。

何故体にそのような悪い影響を与えるかというと、タバコには有害物質が多数含まれているからです。有名なニコチン(依存性や血管収縮の原因)、タール(発がん性の原因)、一酸化炭素(酸素欠乏の原因)などをはじめ、あまり馴染みが無い有害物質としてはニトロソアミン類やベンゼンなど気体成分の発がん物質も含まれています。タバコを止めることで健康になり、お金も節約できるとなると非常にメリットがあります。

禁煙をするためには自分がどのような時に喫煙したくなるのか禁煙のパターンを知り、禁煙に結び付く行動を確認し、禁煙のない生活習慣を構築する事が大切です。食事の後に吸うのであればそれを認識し他の行動に置き換える事や、職場の飲み会で吸いたくなるのであれば、職場の仲間に事前に協力を仰ぐ等、あらかじめ対策をしましょう。また家族や大切な仲間に禁煙を宣言することもよいと思います。SNSなどで宣言するのもよいでしょう。
また減煙ではなく禁煙が非常に重要になります。本数を減らすようにしても苦痛が強いばかりで1本が美味しく感じてしまい、成功率が低くなってしまいます。

禁煙を補助する薬はニコチネルTTSという貼るタイプの薬やチャンピックスという飲み薬などがあります。それぞれ短所、長所はありますのでかかりつけの医師、薬剤師に相談してください。

(T)