暑い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。暑くなると、薄着になります。海に行きます。そんなとき、多くの男性が気にするのが、

“たるんだおなか”

そんなわけで引き締まった体を手に入れるために、トレーニングをしましょう。今回は、トレーニングにまつわる、多くの人が誤解しているある事実について書きたいと思います。
引き締まった体を想像したとき、多くの人がまず思い浮かべるであろう割れた腹筋。それを手に入れるため、毎日せっせと上体起こし(いわゆる腹筋)に励んだことがあるのではないでしょうか。これが、今回のテーマです。

 

 

上体起こしは確かに腹筋を鍛えるのに効果的な運動ではありますが、腹筋を浮かせる、シェイプアップする、といったことを目的としたとき、必ずしも最善ではありません。理由は3つあります。 
第一に、上体起こしの消費カロリーは決して大きくありません。腹筋という筋肉は全身の筋肉のなかでも大きな部類には入らないため、その運動量も大きくはなく、ダイエットに欠かせないカロリーの消費という観点から考えても優先度は低いです。
第二に、上体起こしそのものは腹筋を割ることに直結しません。腹筋というものは筋肉の構造上、本来誰でも割れているものなのです。したがって、腹筋が割れている人は腹筋を鍛えているから割れているのではなくて、体脂肪率が低いため、割れて「見える」のです。
第三に、脂肪は一部だけが消えてなくなるわけではありません。カロリーを消費して痩せた場合、全身の脂肪が均一に消費されます。よって、上体起こしによって腹筋を鍛えたからといって、優先的におなかの脂肪が取れる訳ではないのです。

以上から腹筋を浮かせる、シェイプアップするということを目的としたとき、上体起こしは優先すべき運動ではないことが考えられます。それでは、どのような運動が効果的なのでしょうか。

それは、ズバリ、スクワットです。

足の筋肉は非常に大きく、全身の筋肉でも飛びぬけて大きいです。私たちは、普段何気なく歩いていますが、逆立ちして手で歩行することのしんどさを考えると如何に足が巨大なエンジンを積んでいるかが想像できると思います。したがって、足の筋肉を最大限に利用するスクワットによる消費カロリーも同様に巨大であることがわかります。また、それだけの大きな筋肉を鍛えることができれば、筋肉の増加に伴う基礎代謝の上昇も大きいものであることが期待できます。消費カロリーがその場だけでほぼ終了する有酸素運動とは異なり、何もしていなくても多くのカロリーが消費できるのです。これだけでもスクワットのヤバさがわかっていただけると思います。
しかも足は、歩行で毎日使います。腕をどれだけ鍛えても、その筋肉を使った運動をすることは、一部の方を除いてほとんどないと思います。足の場合、日々大きくなるエンジンを毎日使うのですから、燃費はそれはもう最悪です。めちゃめちゃ燃えます。加えて、スクワットはバランスの保持も必要なため、ある程度、腹筋、背筋を使用します。何かを担いでやろうものなら全身を使います。そう、スクワットは全身運動なのです!

そして、自重(じじゅう)で行うスクワットであれば、女性が気にするほど太ももは肥大しません。安心ですね。むしろお尻が持ち上がって、ヒップアップ効果が期待できるくらいです。

というわけで、みなさん、スクワットをしましょう。

ちなみに本気で始める方には、もうひとつアドバイスを。スクワットはランニングなどの有酸素運動と組み合わせると大きな脂肪燃焼効果を発揮します。その時に注意していただきたいのが順番です。必ずスクワット→有 酸素運動の順に行ってください。理由を説明すると生理学の話になって長くなってしまいますのでこの場では割愛しますが、この順番で行っていただくことで大きな成果が得られることは間違いないでしょう。

(K)