13年前の秋、りんご好きだった長男が、家でりんごがなるといいねと、食べたりんごの種を鉢に植えました。やがて芽が出てすくすく育ち、1mくらいになったので、さすがに鉢植えはかわいそうだと思い、庭の隅に地植えしました。それからは、水をやらなくてもよくなったため、木の成長を気にもとめていなかったのですが、気づいたら、2階のベランダの高さまで伸びていたのです。それ程にまで伸びると、長男が毎年のように、「ねえ、いつりんごがなるんだろうねえ。」と言うようになりました。それでも、いっこうに実のなる気配はなく、葉っぱばかりのりんごの木でした。
それが今年5月、何気なく駐車場からりんごの木を見上げていたら、なんと枝の先端の方に、3つ白い花が咲いていたのです。それからしばらくして花が見えなくなり、花の散った後は実がついたのかなあ、どうなのかなあと心配だったのですが、下からは到底見える高さではなく、そのうち忙しくてりんごのことは忘れて いました。
8月のある日、また何気なくりんごの木を見上げていたら、何と!枝の先端に、1個だけ黄緑色の実がついていたのです。見つけた時は感激しました。とてもうれしかったです。
9月に入ってからは、実の上の方が少し赤くなっていました。10月には収穫したいと思っています。
食べた果物の種を植えてそれが木になり実を付けるなんて、あの時の私は予想もしていませんでした。私とは逆に、3歳だった長男は、きっとりんごがなり、食べられると信じて種を植えたんですね。
大切なことを教えられたような気がします。
(豊明店 F)