我が店舗は、近隣の医療機関の関係で、精神科、心療内科の処方箋を持ってみえる患者さんが多く訪れます。
そんな中、最近小さな患者さんも多く訪れるようになってきました。 その多くが、最近巷でちょこちょこ耳にするようになった、“ADHD”の症状を抱えた子供さんです。

ADHD(注意欠如・多動性障害)の特徴は、集中力が続かずすぐに気が散る、忘れっぽいなどの「不注意」と、落ち着きがなくじっとしていられない「多動性」、思いついたら考える前に実行してしまう「衝動性」などが挙げられます。こうした行動は小さい子どもにはよくみられることですが、その程度や頻度が並はずれていてADHDと診断されるような場合でも、周囲には障害だとは認識されないケースがあります。「乱暴な子」とか「悪い子」などと思われてしまいやすく、親の育て方が悪いなどと誤解を受けることもあります。しかし、ADHDは育て方やしつけが原因ではないし、本人の努力が足りないわけでもありません。脳の発達の特性が関係しているのです。

ADHDは適切な時期に適切な支援を受けることが肝心です。
症状が激しく現れる人は見つかりやすいけれど、大人になるまでADHDとは分からないまま、本人がその能力を十分に発揮できなかった、長い間生きづらい経験をしてきたという人もたくさんいます。現に、大人になって初めて受診されるケースも最近よく見られます。
信頼できる専門家・主治医と十分にコミュニケーションをとって、その子に合った支援・治療を選んで、“その子らしい”のびのびした成長をサポートしてあげることが重要です。
まずはADHDに対する見方を変えるところから、つまり『この「障害」とどうやってつきあっていくか』ではなく、『この「個性」をどう伸ばせるか』という見方に変えるところから始めてみるとよいかもしれません。

(はりま店 N)