私は、実務実習指導薬剤師として認定を受けて早7年。
振り返ると、これまで6名の実習生と一緒に過ごしてきました。
現在、薬学部の学生は5年生の時に、薬局で2か月半+病院で2か月半、計5か月間の実習をしなければなりません。私が学生の頃といえば、病院での実習を3週間、薬局での実習を1週間の、計1か月でしたから、今の学生の実習に占める割合の多いことがわかります。これには、薬学部が4年制から6年制になったことが大きく影響しています。先月、ちょうど薬学生の実習が終わりました。
私は、自分が実習させてもらった頃のことを思い出し、良かったことはそのままに、嫌な思いをしたことは、今の学生には味わってほしくないなと思いながら、実習に取り組んでいます。学生と過ごす時間はとても貴重で、毎年様々な個性を持った学生たちと出会いますが、将来立派な社会人、薬剤師になってほしいなと思いながら、一緒に勉強させてもらっています。
そして、ここで関わった学生が無事に大学を卒業し、国家試験の合格報告に来てくれた時の喜びはひとしおで、これからは同じ薬剤師として、場所は違えど、大きくなっていってほしいなと願います。
そんな彼らが薬剤師となり、研修会などで再会することがあります。実習生の時にはなかった顔つきから、薬剤師として成長していることが伺えたりして、感慨深いものがあります。一度同じ時間を過ごしているだけに、あまり言葉を交わす時間がなくてもとても懐かしく、思わず見守ってしまいます。
さらに、もっと小さい薬剤師の卵との出会いもありました。ある日、薬局に一人の女の子がやってきました。いつもはお母さんと一緒に薬をもらいに来てくれる小学6年生の女の子です。どうしたのか聞いてみると、薬剤師の仕事に興味があるので話が聞きたいとのこと。
学校が終わってから、その子は一人で自転車をこぎ、薬局までわざわざやってきてくれたのです!まだ小学生の、こんな小さな子が!!私はびっくりしたのと同時に、とてもうれしくなってしまいました。
残念なことに、ちょうどその時間が、午後の診察が始まった頃で、ゆっくりと話をしていることができなかったため、薬剤師になるためにはどうしたらいいのか等、少しだけ話をして、ゆっくり話ができる時間帯を伝え、また改めて来てもらうことにしました。
・・・それから待っているのだけれど・・・。
きっと、あの時は、すごく勇気を振り絞って聞きに来てくれた貴重な時だったのですね。それ以来、まだ姿は見せてくれません。。。
また、小学校や中学校で仕事をさせていただく機会などもあり、将来薬剤師になりたいという子供たちに出会います。みんな、目を輝かせて話を聞きに来てくれます。
年齢はさまざまですが、それぞれの場所で前を向いて頑張っている、そんな未来ある薬剤師の卵たちに、少しでも力添えできればいいなと思っています。これからもそんな出会いを大切にしていきたいと思います。
(大安店 T)