皆さんご存知の平清盛。武士としては初めて太政大臣に任じられ、日本初の武家政権を打ち立てた人物です。歴史の教科書にも載っていましたよね。

そんな清盛、源頼朝ら反平家の源氏が蜂起した1181年、謎の熱病に侵され息を引き取りました。『平家物語』には1週間にわたり高熱に苦しむ様子が「悶絶躄地して、つひにあつち死にぞし給ける」と描写されており、身体を冷やす水がたちまち水蒸気になったとも書かれています。この清盛の死因となった病気はいろいろな説がありますが、死亡した時期が2月ということもあり、インフルエンザに罹患して死亡したという説もあるそうです。清盛も死に追い詰めたインフルエンザが現在大変猛威を振るっています!

私が勤務している薬局でのインフルエンザに罹患した患者数を見てみますと、
2018
18日~112日:25人 
115日~119日:103人 
122日~126日:116

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月中旬から急激に患者数が増えていることが分かります。また、去年の同じ時期と比べてみると
2017
18日~112日:18人 
115日~119日:46人 
122日~126日:74

今年のインフルエンザに罹患した患者数が非常に多いことが分かります。更に、例年1月はインフルエンザA型が主に流行するのですが、今年は厄介なことにA型もB型も両方が同程度流行しています。なぜ厄介かと言いますと、まず1つが、A型とB型の症状が違うこと、A型は高熱(38度~40度)、頭痛、関節痛が主な症状に対してB型は、発熱(37度~40度)の他に主と言える症状があまりありません。腹痛や下痢症状が起きたり、喉が痛かったりと一般的な風邪の症状とあまり変わらないこともあります。ですので、微熱で喉が痛いなー、風邪かなーと思って病院に受診すればいいのですが、自分の知っているインフルエンザの症状と違うから病院に行くのはやめとこ、となると知らないうちに周りにインフルエンザが広がっていきます。
2つ目が、同時期にA型もB型も両方に罹ってしまうこと。例えば、A型に罹り治療をし、ようやく治ったらと思ったら、1週間後くらいにB型に罹ってしまう、ということもあります。このように大流行中のインフルエンザに罹らないためには、やはり予防が大事です。
手洗い
インフルエンザは飛沫感染と言い、感染者の咳やくしゃみなどによる飛沫から感染します。感染者の飛沫がテーブルなどにつき、それを触り、手を洗わず食事をしたり、その手で目を掻いたりすると、そこから感染してしまいます。しっかり泡立てた石鹸で手を洗うことが大事です。アルコールでの消毒も効果があります。
うがい
喉についたウィルスを洗い流してくれます。うがいができなければ、水分を摂取して胃の中に流し込むことも有効です。インフルエンザウイルスは胃酸に弱いので、胃に入れば死滅します。また、粘膜が乾燥するとウィルスが侵入しやすくなりますので、うがいや水分摂取は有効な予防となります。
加湿
空気が乾燥をしていると、飛沫が飛びやすくなりますし、粘膜が乾燥しやすくなります。自宅や職場での加湿を心がけましょう。加湿器がなければ、濡れタオルを室内に干しておくだけでも加湿効果が得られます。
自分の免疫力を高める!
様々な方法でインフルエンザウイルスを避けていても、ある程度身体に侵入してくることは仕方ありません。そこで最後の砦となるのは自分の体が持っている免疫力です。暴飲・暴食、深酒等はせず、十分な睡眠を摂るよう日頃から心がけましょう。

清盛も予防方法を知っていればインフルエンザウイルスに負けることがなかったかもしれませんし、更には源氏にも負けることがなかったかもしれませんね。

皆様は、日ごろから規則正しい生活をし、体力をつけて、インフルエンザウイルスに負けない体づくりをしましょう!!きっと清盛は規則正しくない生活を送っていたのだと思います(私の憶測です笑)もしインフルエンザと疑われる症状が出ましたら、近くの医療機関にかかり、適切な治療を受けましょう。適切な治療さえすればインフルエンザは良くなる病気です。

(豊明店 K)